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渡辺逸郎

渡辺逸郎展
「水の上に水」(透明水彩)/ドローイング
2017年3月2日(木)〜3月19日(日)

「水の上に水」 660x480mm 透明水彩

「水の上に水」
660x480mm 透明水彩

撮影:廣澤章光

撮影:廣澤章光

渡辺逸郎(1948~2012)
「・・・それに、僕は食事が、白米と納豆、冷奴に焼きのりが好きで。・・・そうなると、やっぱり必然的に、和紙に水彩でしょう(笑)。・・・」(アクリラート・VOL.16 平成3年より、発行ホルベイン工業(株))。は「水の上に水」を制作されている時期に取材された記者との対話の中の言葉です。そして、水彩絵具の手軽さゆえの速度、生き生きとした即興性の上に、絵画的な内容と自分の生活が一致していると話は続きます。
”水”をテーマにした作品はこのシリーズの前から継続的に制作し、素材も表現も変容ているのですが、それでは何故”水”だったのだろう、という問いです。

渡辺逸郎さんは1969年、美学校(現在神保町)の一期生として立石鐵臣博物細密画教場に入学、細密画を学びます。その時期の「アトリエ No.524 ’70/10 細密画の基礎技法と展開」に掲載された小文の中で、細密画を描く目的は単なる模倣描写ではなく、その技術をもって物体(地上的事物)の細密な中へ蚕食的に侵入することにより”反世界的宇宙空間”を獲得でき、最も理想化された自然領域へ入る、というようなことを書いています。反世界的宇宙空間とはどのような事なのか正確には解りませんが、多分、見えている現実世界ということに対する見えているが現実を超越した世界、というようなことなのかと勝手に解釈しています。

水のもつ性質、氷という個体から液体、気体までの変化が、あくまでも物質的にとらえた場合ですが、湿度が高いという日本の風土ではその在り方を身体の中で感じ易くさせてくれます。それはまた観念的な「在ると在るけれど無い」を暗示させてもいるような気がします。水は渡辺さんにとって身近で格好のモチーフだったのではないでしょうか。細密画の技法を身につけながら獲得してきた、この二つの世界観の融合は制作の最後まで持ち続けた課題だったのではないかと考えます。
今回展示のドローイングの中で、鉛筆のラインが白い紙の中から浮かび出てくるのか、紙の中へ入ろうとしているのか、紙面を行ったり来たりしているように感じさせる一枚があり印象的でした。あくまでも想像ですが、紙の内部と表面というような意識が働いて描いていたかもしれません。
実際、晩年の作品まで複合的な世界観が通奏低音のように画面に響き渡り、観る者の感覚を揺さぶっています。

美術という行為で呼吸していた、既に完結した画家の仕事の一端ですが、美術を愛する人々に「水の上に水」という不思議なタイトルをもつこの美しい作品群をご紹介したく展示することといたしました。

小品展 1996.4.6~5.25

小品展
1996.4.6~5.25

個展2002.6.7〜6.30

個展2002.6.7〜6.30

渡辺逸郎 略年譜

1948 3月9日 栃木県那須郡那須町に渡辺小太郎・栄夫婦の次男として生れる。父母は公務員で、父小太郎は那須町の出身。後に妹が誕生し、二男一女のきょうだいとなる。
1953 6月 東京都三鷹市深大寺に移転
1954 4月  三鷹市立第二小学校入学
1960 3月 同小学校卒業。4月 三鷹市立第二中学校入学
1963 3月 同中学校卒業。4月 私立盈進(えいしん)高等学校入学
(盈進高等学校は当時、東京都北多摩郡保谷町あった。1985年に「東野高等学校」に校名変更し、埼玉県入間市に移転している)
1966 3月 私立盈進高等学校卒業
高等学校卒業後、桑沢デザイン研究所、大塚末子きもの学院にて学ぶ
1969 4月 現代思潮社によって創設されて間もない「美学校」の「立石鐡臣博物細密画教場」に第一期生として入学
1970 3月 同教場修了。4月 同じく美学校の「加納光於銅版画教場」に入学
1971 3月 同教場修了。「加納光於教場展」(芸術生活ギャラリー)に出展
1973 「アリス・イン・ワンダーランド展」(画廊人魚館、京都書院画廊)
1974 3月 初の個展「化粧箱の規制銅版画展」(洲之内徹の現代画廊)
またこの年、種村季弘が企画した「若い日本の幻想画家展」に出展、同展はドイツ国内を巡回した後、ギャラリー銀座三番街、ギャラリーさんよう(名古屋)でも開催された
1975 3月 杉江澄江(1947年10月生れ)と結婚。二人は舞踏家笠井叡が主催する「天使館」にて、そこで研鑽する舞踏家と気鋭のポスターデザイナーとして知り合った。結婚後、長野県諏訪に転居し、宝石研磨の仕事に就く。
1976 3月 長男、数馬誕生。この年、「細密画技法の基礎と展開展」(シミズ画廊)、「市民の美術展」(諏訪市美術館)に出展
1977 「グリーンドロップス絵画展」(喫茶LAVIE)に出展した後、7月に個展「ダイヤ版展」を諏訪の自宅で開く。9月 長女、羽音誕生。
1978 5月 東京都八王子市に転居(その後、調布市仙川、千葉県松戸市に住むが、転居の時は特定できていない)。
1979 3月 個展「ダイヤ版PART2」(画廊春秋)。国分寺市恋ヶ窪のStudio 33神遊館(サラムカン)にてダンス・パフォーマンスを行う。
1980 「特異な作家10人展」「5人展」(いづれも、さくら画廊)に出展。この年、横浜のライブハウス玄海、調布市のスペース仙川、神遊館でダンス・パフォーマンス。
1981 3月 離婚。他の家族は「杉江」姓となる。4月「渡辺逸郎展」(画廊春秋)。その後渡米、サンフランシスコを中心に秋まで滞在する。
1982 8月 『美学校通信』4号にエッセイ「川仁宏事件」を発表
1983 4月 美学校に「渡辺逸郎細密画教場」を開く。3年前になくなった立石鐡臣教場の後継として、毎週土曜日夜間に行われる授業は、1999年度まで続けられた。
この年、「アートランス・ギグメント’83」(Axis Gallery)に出展
1984 2月 個展「Water Chute」(お茶の水画廊)。この年、「栃木県美術の現在展」(栃木県立美術館)に出展。また、個展「1972~’84渡辺逸郎舞踏ポスター展」(ギャラリー612)
1985 7月15日、舞踏「ぬり残し」を中野・テルプシコールにて開催。「日本オブジェ展」(渋谷パルコ)に出展。12月「The Year and Festival展」(画廊春秋)に出展。
1986 3月「Peach Blossom Festival展」(画廊春秋)に出展。6月 個展「Water on Water」(お茶の水画廊)
1987 6月 個展「Water on Water」(お茶の水画廊)
1988 5月 個展「Water on Water」(お茶の水画廊)
1990 「今日の造形展」(栃木県立美術館)に出展。5月に個展「Water on Water」(お茶の水画廊)。他に個展をギャラリー射手座、ギャラリーLa Belleにて開催
1991 3月 息・数馬、娘・羽音の私立自由の森学園高校・中学進学に伴い、埼玉県飯能市に転居。以降は住所を変えながらも飯能に住み続けた。5月に個展「Water on Water」(お茶の水画廊)。他に個展を、ギャラリー射手座、ギャラリー平塚、ギャラリー代々木にて開催。11月から12月にかけて宇野邦一と共に渡仏。
1992 5月 個展「Water on Water 5」(お茶の水画廊)。他に個展を、アートスペース虹、プラザ・ギャラリー、ギャラリー光彩、平塚画廊、彩林堂画廊にて開催
1993 5月 個展「ステンシルによるWater on Water6」(お茶の水画廊)。他に個展「ギャラリー・モーヴ」(池袋西武)を開催。11月に芥正彦と共に渡仏、芥正彦の詩『華鏡』に挿画30点を連作、フランスMarchant Ducel社より出版される
1994 10月 個展「水の上に水・7」(お茶の水画廊)
1995 1月 個展「1969~’94自選展」(画廊春秋)。11月 個展「水の上に水・8」(お茶の水画廊)、他にアートスペース虹にて個展。
1996 4月 阿部浩、今泉省彦、遠藤昭との「小品展」(アートM/現・土日画廊)に「予感の感」「昆虫」などの鉛筆細密画を出展。11月の個展「水の上に水・10」(お茶の水画廊)で、<降り注ぐ言葉シリーズ>の端緒となる作品をステンシル作品とともに発表する。
1997 10月 個展「水の上に水・11」(お茶の水画廊)
1998 10月 個展「水の上に水・12」(お茶の水画廊)
2000 4月 個展「渡辺逸郎展」(お茶の水画廊)
2001 9月 個展「1995年から現在」(パラグローブ)
2002 6月 個展「渡辺逸郎展」(ステンシル作品。土日画廊)。9月 「矢川澄子追悼展」(ギャラリー・イヴ)に出展。同月刊行された『ユリイカ臨時増刊 矢川澄子・不滅の少女』にステンシル作品「水の上に水」(93年)が掲載される
2012 5月 逝去
(文責・照井康夫 協力・杉江音羽、甲賀勝雄、芥正彦、藤川公三、長谷川公男)

中山ゆかり

「冬の星座」900x900mm

「冬の星座」900x900mm

 

中山ゆかりホームページ

「春よ来い〜」
中山ゆかり+船山理也子(ガラス)
2017年1月5日(木)〜1月22日(日)

 

 

 

 

POP広告制作会社を経て、独立。
その後1998年よりペーパークラフトの制作を始める。
現在、ペーパークラフト、イラスト、筆文字デザインの制作を中心に活動中。

2003年 「第18回ハンズ大賞」入選
2005年 01月 小手指ギャラリーサランにて作品展開催
2008年 12月 吉祥寺monoギャラリーにて作品展開催
2009年 08月 「第19回紙わざ大賞」大賞受賞
2011年 08月 「第21回紙わざ大賞」準入選/あなたが選ぶ紙わざ大賞(来場者アンケート)第2位
2012年 09月 「第22回紙わざ大賞」ユニットPAPERBOXとして出品 入選
2012年 11月 下井草ギャラリー五峯にてグループ展「織・絵・紙 展」を開催
2014年 10月 秩父ふるさと館「集」にて作品展
2015年 02月 ユミカツラ50周年記念のファッションショーにペーパークラフト制作で参加
2015年 05月 秩父ふるさと館「集」にて作品展
2015年 10月 下井草ギャラリー五峯にて作品展を開催
2016年 01月 ユミカツラパリコレクションのアクセサリー制作で参加
2016年 02月 ユミカツラウェディングファッションショーのアクセサリー制作で参加
2016年 07月 パリ・ジャパンエキスポに「ムーンプリンセス」出品
2016年 08月 銀座伊東屋K.ItoyaB1Fにて作品展
2016年 10月 イギリス・スネイプにて開催の「Kokoro-ContemporaryJapanesecrafts」に参加出品
2016年 10月 ペーパーレストラン2016「神様になった動物たち」に「弁財天と五頭龍」を出品
2016年 11月 目黒雅叙園百段階団 「神の手・ニッポン展」出品
〈著 書〉
1999年 パソコンでつくる「食材カット集」(MPC)
2000年 パソコンで使う「料理カット集」(MPC)
2005年 2月 「壁面イラスト型紙集3ペーパークラフト編」(MPC)
2006年 2月 「壁面イラスト型紙集4」(MPC)
2007年 4月 「こどもとつくるペーパークラフトどうぶつえん」(MPC)
2008年 3月 中山ゆかりの「春夏秋冬カット集」(MPC)
2008年 3月 「10分でできる小学校教室わくわくグッズ」(たんぽぽ出版)
2010年 2月 「保育のポップアップカード」(マール社)
2010年 3月 「とってもかわいいすてきな壁面・ミニ飾り&カード」(たんぽぽ出版)
2011年 3月 「10分でできる保健室わくわくグッズ」(たんぽぽ出版)
2012年 3月 「10分でできる小学校教室わくわくグッズ〈Part2〉」(たんぽぽ出版)
2013年 4月 「3分でできる小学校教室わくわくプレゼント賞状・カード」(たんぽぽ出版)
2014年 3月 「10分でできる食育わくわくグッズ」(たんぽぽ出版)
2015年 3月 「かんたん!かわいい!先生のための手描きイラスト便利帳」(たんぽぽ出版)

零駒無藏

「だんごわに・オキアガリ」素材:ツバキ

「だんごわに・オキアガリ」素材:ツバキ 2016年11月個展

 

 

 

 

 

 

 

零駒 無藏 1961年東京生まれ 愛媛県在住

受賞歴
1990年 第4回現代日本具象彫刻展            優秀賞
1992年 第5回現代日本具象彫刻展            優秀賞
1993年 ORC200の街をかざる彫刻コンクール      佳作賞

略歴及び出展歴
1983年 渡仏 ソルボンヌ大学及びアカデミーグランドテールに学ぶ
1990年 第22回日展
1991年 第2回石のさとフェスティバル
第6回神戸具象彫刻大賞展
第14回現代日本彫刻展優秀模型展
第2回横浜彫刻展ヨコハマビエンナーレ’91
第4回ロダン大賞展マケット秀作展
1992年 アートヒル三好ヶ丘’92彫刻フェスタマケット展
第13回神戸須磨離宮公園現代彫刻展
1993年 アートヒル三好ヶ丘’93彫刻フェスタマケット展
第7回神戸具象彫刻大賞展
93日向現代彫刻展
1994年 第3回倉敷まちかどの彫刻優秀模型展
第3回石のさとフェスティバル
公募彫刻展in能生模型展入選
大阪市都市環境アメニティ表彰
1995年 建設会社に彫刻家として入社
モニュメント・庭・店舗ファサード・アート家具などを制作
1996年 第28回日展
1997年 第4回倉敷まちかどの彫刻優秀模型展
第4回石のさとフェスティバル
第17回現代日本彫刻展優秀模型展
第29回日展
1998年 第30回日展
2006年 建設会社を退職、
2007年 展ギャラリー 日高定光氏と二人展
2008年 久万高原町に工房を設立
2010年 いよせきストーンギャラリー 企画展
2011年 ギャラリー黒猫 個展
2012年 高松市石の民俗資料館 企画展
2012年 GALLERY CAFE KIKUJIRO 企画展
2013年 久万青銅之廻廊15周年記念 企画展
2014年 ギャラリーかわにし 企画展
田中戸 個展
2015年 東京・いりや画廊 個展
ギャラリーかわにし 企画展
2016年 ギャラリーアンフィール 企画展
GALLERY CAFE KIKUJIRO 企画展

シンポジウム参加歴
1992年 第2回かさおか石彫シンポジウム
1995年 第8回美濃加茂彫刻シンポジウム
1997年 第4回かさおか石彫シンポジウム 招待参加

パブリックコレクション
1990年  千葉県立美術館
1991年  横浜市営地下鉄中川駅
1992年  千葉県立美術館
1992年  岡山県笠岡市美の浜彫刻広場
1993年  大阪市中央区弁天町駅オーク内
1995年  美濃加茂美術の森
1998年  愛媛県松前庁舎
1999年  愛媛県松前町総合福祉センター内
2001年  愛媛県立えひめこどもの城内
2003年  愛媛県新田青雲中学校内
2013年 久万青銅之廻廊
2015年 ミウラート・ヴィレッジ

スサイタカコ

スサイ2016web2
スサイタカコ展「Shedding Children〈脱皮するこどもたち〉」
2016年4月28日(木)〜5月15日(日)

スサイタカコ  略歴
1997年 美學校・造形基礎卒。
絵や壁画を描いたり、布、革、端切れなどを収集し、立体作品を制作。美術館、駅、廃校、ギャラリー、商業施設など、さまざまな場所にてココロ踊る、独特な味わい深い、唯一無二の世界を産みだしている。観客と一緒にオモチャやニンギョウをつくったり、絵を描くワークショップ多数開催。旅芸人のように国内外各地で活動中。
個展・グループ展に多数開催、参加しているため下記は主な展を抜粋しました。
◉2005年
個展「月夜のスカートめくり」(OPA gallery / 東京)
◉2006年
SICF(青山スパイラル・東京)
◉2007年
個展「アリクイ舌ベロの妄想」(OPA gallery / 東京)
◉2008年
赤坂アートフラワー (旧赤坂小学校)
◉2009年
個展「満ちるひだまり」(土日画廊・東京)
◉2010年
台湾SOGO全館クリスマスウインドウディスプレィ(台湾)
◉2011年
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2011(六甲山・兵庫)
個展「パラレルワールド 光ノ音ト旅ヲスル」(アートスペース油亀・岡山)
◉2012年
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2012(六甲山・兵庫)
みんなでつながるゆかいな虹 パルテノン多摩25周年記念イベント(パルテノン多摩)
個展「タダイマ ノ キオク ムキダシ ノ ニチジョウ」(土日画廊)
◉2013年
個展「ルールー 天井にクモがいるね」(OPA shop・東京)
個展「Poetic eerie」(川越市立美術館)
テクテクめぐる縁がわアートin南三陸(宮城)
モケモヶコタツビヨリ(日和アートセンター・宮城)
ウョウョメガネで世界をみよう ワークショップ(彫刻の森美術館・神奈川)
◉2014年
個展「teとte」(OPA shop・東京)
チクチクヌィヌィ ヘンテコアソビバつくろうワークショップ(鴨江アートセンター・静岡)
六甲ミーツ・アート 芸術散歩2014(六甲山・兵庫)
テクテクめぐる縁がわアートin南三陸(宮城)
個展「ポンポコピーピーどこいくの クリスマスってなにそれたべもの??」(アートスペース油亀・岡山)
◉2015年
個展「ポピポピたちがやってきたょ」(OPA shop・東京)
アートの畑@ISETAN(伊勢丹新宿店)
◉2016年
Giant Mango Selection vol.2@Wrong (wrong gallery・台湾)
個展「ニョキニョキヒョッコリはじまるょ」(OPA shop・東京)
としまミュージアム(豊島区旧庁舎・東京)
個展「Shedding Children〈脱皮するこどもたち〉」(土日画廊)

愛おしき生命体、その形や豊かな色彩から醸す雰囲気が菌類がはびこるるように、あるいはアメーバーが細胞分裂して陣地を拡げるように、観る人のこころを占領して行くニンギョウたち。独特な形のなかに穏やかで何気なく愛嬌をふりまくスサイタカコの作品を前にして微笑み嬉々としている多くの人々を見かけてきました。男子も女子も、子供も大人も、無論このメモを書いている自分もその一人です。
天井からつり下げられたカラフルで奇妙奇天烈な作品群は、画廊の個展会場ばかりではなく公共の場、廃校になった学校の体育館、美術館、町起こしのための古民家、東北でおばあさんが暮らす農家のひだまりの縁側、デパートや商店の一隅などなど、開かれた空間で時には風に揺れ、時に子供たちの小さな掌でなでられてきました。

作品は絵画や立体作品が中心です。特にニンギョウの制作は絵画、立体、版画、手芸、刺繍、テキスタイルなどジャンルを超えたところで、スサイタカコの全身の感覚、技術が総動員されています。素材は布や皮、ビニール、紙、皮など、どんな素材の端切れでも、例えば使用済みの短い糸の一本も保管し作品に生かしたり、布の柄は自分で描画したりシルクスクリーンでプリントをしたりもします。
スサイタカコは「美学校」(神保町)で短期間学んだ後、制作に必要な版画技法以外はほとんど独学で制作してきました。幼少期から始まった「お絵描き」で楽しい色彩の感覚を養い、子供のころに祖母から学んだ針や糸を使う「お遊び」で気持ちの良い布を体感して夢やお話の世界を膨らませていました。この豊かな色感と独特な形態の感覚に加えてユニークな作品のネーミング、「トムトムムーチョ」とか「モミモミテヒョロン」とか、なんだか表音文字で煙に巻かれるような名前を付され、作品は一層神秘的空気が醸されてまるで宇宙からでもやって来た未知の生命体をも想像させます。
形を造る時は手を自由に動かすというやり方でなるべく頭で考えることはしないそうです。
人には癖というものがあり、同じような動作をしていれば自ずと動きが定まってくるのだろうと思います。スサイタカコのそれぞれの作品も似通った空気があり、形の癖と言えない事もないのですが、「癖」といってしまうにはそれぞれがあまりにも自由奔放で気分が開放される感じです。

今回のサブタイトル「shedding children」(脱皮するこどもたち)は、自分の幼少期から今までの体験を現実として受け止め肯定することで今ある自分の新たなる出発にしよう、という自身の内的体験を踏まえたものです。
どんな人にもそれぞれの事情を抱え生活しています。生きることは喜びばかりではなく時に失敗したことや反省、自分をだましだまししてきたりと、内なる葛藤を抱えている現実もあります。大人になりそんな感情がふっと頭をもたげて気持ちを落ち込ませる要因にもなったりします。
そんな人間の心の世界をよそにニンギョウたちは飄々として在り、それを観る私たちにあるがままのあなたでいいんじゃないの、もっと肩の力を抜こうよと言ってくれているような気がします。
そしてそれは真にスサイタカコがニンギョウの姿を借りて伝えたいメッセージでもあるのです。

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個展
「タダイマノキオク
ムキダシノニチジョウ」
2012年2月16日
〜3月4日

中西 和

「雛」24x18cm

「雛」24x18cm

中西 和 展
2016年2月11日(木)〜2月28日(日)
open 木曜日〜日曜日 12時〜19時

身近にある物や普段は気にも止めない風景がふとした時に「奇麗だな」と意識される、そんな体験が日常のなかに多々あるのではないかと存じます。中西さんの作品には描くという行為で美術に昇華された、そんな何気ない物や風景があり、日々の暮らしを心地よい緊張感とともに豊かに楽しむ術を気づかせてくれます。

画材はパネルに張込んだ水彩紙に炭や顔料をアラビアゴムの水溶液で溶いたものに水彩絵具なども利用して描くのですが、描画の途中で画面の絵具を水で洗い落としてマチエールを造ったり、白い絵具を使わずに表面をビューラーで削って紙の白を利用するなどします。この方法にたどり着くまでに油彩なども使いましたが、描きたい物を描きたいように描く為にはこの技法が一番適しているということなのです。
過剰でもなく不足もない表現。物や風景は画面の中で特別な役割を与えられることもなく、ただ在る。このあっけらかんとした表現に中西さんの潔さを感じています。

2016年「長野順子 銅版画展」

2016年1月7日(木)〜1月24日(日)
OPEN 木曜日〜日曜日 12時〜19時

「春梅(チュンメイ)」 15x11cm

「春梅(チュンメイ)」 15x11cm

長野さんの作品の大きな特徴の一つに「物語性」ということが揚げられます。
一枚の作品の中にストーリーを想像することが出来る。
この「春梅(チュンメイ)」と呼ばれる少女は衣服からみても中国の女の子を描いているのでしょう。指を止まり木にしている小鳥と何か話しかけています。一体どんなお話をしているのでしょうか。

少女が身につけている髪飾りやイヤリングは梅のよう花です。さてはこの子は梅の花の精かな。梅にチャイナ服は似合いますし。この匂い立つ花の香りに誘われて、今年も飛んで来た小鳥に歓迎の意を表しているように見えます。
寒い冬を超えて、今年も花を美しく咲かせる事が出来、喜んでいながらも長かった冬にちょっと退屈していた春梅(チュンメイ)と、暖かくなりやっと羽を拡げて空へ羽ばたく小鳥との再会の挨拶もそこそこに。空から見下ろし見て来た地上の出来事を、自分の居場所から動けないチュンメイに話して聴かせているようにも見えます。

これはあくまでも私の読み取った想像です。
「お話」はお客様それぞれの観たまま感じたままに、ご自由に話を想像して美術を鑑賞する楽しさ身近に感じていただければ幸いです。

長野順子:
東京芸大・大学院では建築を学び設計事務所での勤務を経て美学校(神保町)にて
銅版画を学ぶ。以後銅版画を中心に制作、発表しています。
個展・グループ展は多数開催。また、海外でのコンテストへも積極的に参加。特に近年シャルジャ(アラブ首長国連邦)で開催されている絵本原画展では4年連続で入選し、2015年は2位に入賞するなど評価が高まっています。
挿絵の仕事も多数あり、最近では「虹色峠」著:十一谷朋代(未知谷)2015年があります。

明田一久

作品は動物など、その生態の特徴をとらえた表現や擬人化せされたものが中心です。愛らしく、ユーモアに溢れ、気持ちを和ませてくれます。素材は石、真鍮や色彩を使う作品もあり、石の重圧感を開放しているように感じます。

思わず微笑み、ココロが動く・・・
そんな願いを込めて制作いたしました
石の重みや温かさ、真鍮が持つ線など・・・
不思議な一体感も感じて下さい

これは明田さんの言葉です。
素直な気持ちで童心にかえり、創る喜び楽しさの中で制作する明田ワールドでは理屈はいらず、観客の皆様にひたすら楽しんで頂きたいということです。

●略歴:
1971 群馬県高崎市生まれ
1997 大阪芸術大学芸術専攻科美術専攻彫刻修了
2005 第6回桜の森彫刻コンクール[優秀賞](秋田県井川町)
2011 個展『STONE WORKS-明田一久 彫刻展-』(日本橋高島屋・高崎高島屋)
2012 第5回小江戸川越トリエンナーレ・彫刻シンポジウム-[優秀賞](埼玉県川越市)
2014 『明田一久彫刻展“石からうまれた生きものたち”』中之沢美術館(群馬県前橋市)
個展・グループ展多数開催   現在高崎市在住

明田一久HP
明田一久 彫刻展「STONE WORKS」2015年9月17日(木)〜10月4日(日)

「スワローライダー」 黒御影石・真鍮・顔料 W760xD123xH220mm(台含む)制作2015年

「スワローライダー」
黒御影石・真鍮・顔料
W760xD123xH220mm(台含む)制作2015年

堀越照美

略歴

千葉県生まれ
武蔵野美術大学卒業
1992年から美学校で銅版画を始める

個展
2006年 個展(ギャラリー沙画夢/王子)
2008年    個展(ギャラリー悠玄/銀座)
2012年 個展(土日画廊/中野)
2015年 個展(土日画廊/中野)

グループ展
2009〜2013年 おしゃべりなカード展(ギャラリー悠玄/銀座)
2009・2010年 September Drops 展(ギャラリー悠玄/銀座)
2011年  花巡り二人展(百瀬晴海/木版画:土日画廊/中野)
2013年  姫たちのひな祭り展(土日画廊/中野)
2014年  三人展(佐々木良枝、松岡真澄と:ギャラリー悠玄/銀座)

 

堀越照美 総版画展 2015年6月11日(木)〜6月28日(日)

「ロウバイ」  雁皮刷り 280x360mm

「ロウバイ」
 雁皮刷り 280x360mm

 

 

 

 

 

 

 

 

堀越照美 銅版画展 2012年6月7日(木)〜6月24日(日)

「春の冠」200x265mm

「春の冠」200x265mm

春山恵介

1984年生まれ
東京造形大学卒業
風景画、抽象画、線描画、点描画 など、絵画表現は多岐にわたるり、全ては心象に繋がる。
また、音楽やダンスとのコラボレーションなどにおいてライブペインティングを行ったり、
近年では自作の脚本を基に舞台作品を制作。
小さい画面から大きな画面まで、いずれも繊細かつ大胆な表現に魅力がある。
国内外で作品を発表している。
春山恵介blog

個展 2015年5月14日(木)〜5月31日(日)

「かぼちゃ」 アクリル・点描・20号

「かぼちゃ」
アクリル・点描・20号

「 風 」アクリル 15号

「 風 」アクリル 15号

「 出会い 」アクリル 30号

「 出会い 」アクリル 30号

 

 

内田かずひろ 個展『マドノコバコ』

内田かずひろ 略歴
1964年福岡県生まれ。
高校卒業後、絵本作家を目指して上京。日本児童教育専門学校で
絵本を学ぶ。
1989年「かえりみち」でクレヨンハウス絵本大賞優秀作品賞。
1990年「シロと歩けば」でマンガ家としてデビュー。
連載 朝日新聞「ロダンのココロ」(1996年4月5日〜1997年10月3日)
単行本『シロと歩けば』(竹書房)。
   「まんがくらぶ」「まんがライフオリジナル」(竹書房)
   『まんがアロハ!』(ぶんか社)
   「ね〜ね〜」(主婦と生活社)
   「ミキハウス・ラブ」(ミキハウス)
   「ロダンのココロ」(朝日新聞社)  など。
さし絵 永井均著「子どものための哲学対話」(講談社)など。

以上は2001年発行の単行本「ロダンのココロ」末尾に掲載の略歴を
ベースに作成しました。

2015年4月16日(木)〜5月3日(日)
OPEN 木曜日〜日曜日 12時〜19時

集英社「小説すばる」に連載中の『マドノコバコ』の
オリジナルを展示いたします。

絵本『はやくちまちしょうてんがい-はやくちはやあるきたいかい』の
原画もあります。

内田かずひろブログ

『サイコ』な窓

『サイコ』な窓