安藤 祐

【安藤 祐について/略歴】
DSC_0053「回転」という事に随分永い間拘ってきた。渦とか蝶番がテーマとなり、ドアや回転する紡錘形のオブジェを造っている。皮肉なことに、テーマの中心となる物としての蝶番はオブジェの中に埋め込まれ、その機能だけが露呈される。一方で平面でも回転をテーマに描いている。オブジェで表面化した蝶番の機能を平面に置き換える、ということなのか。この仕事も縦横各2mもある大作から小さいものまで永い年月を費やして描き続けている。この作品を観て「曼陀羅」と言った人がいる。安藤さん本人はそんなつもりはないと言っているのだが、この画面の内容はもとより作品の量も含めて、安藤さんを知る人のなかには描く行為の中に求道的な空気を感じる人も少なくない。「造っている時間・描いているその一瞬一瞬」が安藤さんにとって生きている時間の表明なのだと勝手に感じている。    

略歴      
1943年 神奈川県川崎市に生まれる。         
    戦後静岡県富士市へ。     
 61年 県立富士高校卒業。上京するも放浪。     
 67年 再度上京。 東京芸術学院に通い、尾崎貢(修復家)、甲賀勝雄(腐食銅版画家・細密画)らを知る。    
 69年 美学校・中西夏之教場に通う。     
 70年 油彩制作。     
 78年 デッサン帳、リトグラフ作品等の制作。     
 80年 ガッシュの制作を始める。     
 84年 個展 (中野 テレプシコール)     
 89年 甲賀勝雄氏と二人展 (国立 ギャラリーキゴマ)     
 91年 秩父山中にアトリエ移転。     
 93年 個展「箱夢の庭」蝶番で (調布市 プラザギャラリー3)     
 02年 個展 曼陀羅で (相模湖交流センター)     
 03年 個展 蝶番 ’86年~’90年の仕事より (中野 土日画廊)     
 06年 個展「野外絵画展」 (新宿区内藤町 ラミュゼ deケヤキ)     
 07年 甲賀勝雄と二人展 (世田谷美術館区民ギャラリーA室)     
 09年 個展 旧作のオブジェによるインスタレーション      
     「And youと遊ぶパコパコ」(新宿区内藤町 ラミュゼ deケヤキ)     
 10年 個展「自閉する27(3×9)のPACO・PACOーハート形によるー」                          
(中野 土日画廊) 

【土日画廊での過去の展覧会】

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安藤 祐 展
ー 静止に向かって ー
途上の月     
2010.11.18(木)ー11.28(日) open 木~日 12:00-19:00  
木村 由 ダンスパフォーマンス( 企画:安藤 祐)      
11.27(土),28(日) 各午後5時~     

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安藤 祐 展
自閉する27(3×9) のPACO・PACO ーハート形によるー
2010年2月11日(木)ー2月28日(日) 12時ー19時 OPEN木金土日
木村由ダンスパフォーマンス   
2/21(日)・2/28(日) 各日18時から  
定員15名位 要予約   
⇒投げ銭をお願い致します。     

上の日程以外にも、 お天気次第で出没します。     
秩父は”アジア”だ! と実感したのは、この1月、秩父、皆野の山間にある安藤さんのアトリエを訪問して新作のオブジェを観た時です。美しいハートの立体もさることながら、その色彩です。野生味のあるこの原色に近い色達が、谷間にあるアトリエの庭の濃い緑や灰色の石によく似合う。この感覚は懐かしいような、どこかで体感したことがあるような。思い出したのは、タイ国の少数民族の衣装の色彩だった。昨年ご近所の方が、アジアが好きで旅行され、その時に購入された物を見せてくれたものでした。 私が訪問した日の秩父は、身体の芯まで冷える寒い気温だったのですが、東京のように冬特有のひどい乾燥は感じられず、空気に多少の湿度があり、当然太陽のひかりも何となくうるうるして居る様な感じでした。残念ながらアジア方面に行った事は無いのですが、TV番組で報道される中国奥地や東南アジアの空気や、衣装から醸される雰囲気に似ているなと感じたわけです。 安藤さんが秩父にアトリエを構えて20年近くなる。その間秩父の山々を歩く樵(きこり)の仕事をされ、生活していた事を思えば、この鮮やかな色感が、安藤さんの体内と秩父の自然から生まれた「共同作業」と感じずにはいられない のです。 もう一つ、ダンスパフォーマンスについて。安藤さんの作品を観ると多くのダンサーが踊りたくなるらしい。それもそのはず。安藤さんご本人が実は身体を動かしたい人だから、作品にもその空気感があるのだとおもいます。描くという行為あるいはその動きは、安藤さんにとって踊っていることと同じだと言っています。 木村由さんは近年、安藤さんのアトリエに通い、作品に埋もれ、秩父の空気を吸い 研鑽を積んでいます。「踊る」のは観客が居ようが居まいが踊るのだそうで、その姿勢はものを造る作家の姿勢そのものです。この展で木村さんの自然体のダンスに出会えることも楽しみの一つです。