阿部修二

【土日画廊での過去の展覧会】
阿部修二「薄墨の巴里祭」展
2012年 7月12日(木)~7月29日(日) open 木金土日 12:00~19:00
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内容:「1789年7月14日 フランス革命前夜の庶民の生活」および制作に関わることなど。
本展覧会の「巴里祭」とは、次のページの阿部さんご自身のメッセージで触れていますが、この日はフランスの革命記念日です。1789年7月14日フランス革命。その前夜の庶民の生活を見ることから浮上するフランス人の社会性とか意識が、およそ250年を経て、今を生きる阿部さんの捉えた作品の中に現れるフランス人の日常性とどのように絡まって行くのか。それはまた、阿部さんがフランスに取材し、何を見てどのように感じてきたかというご自身の意識を明らかにされることにもなるのでしょう。作品の解説としてではなく、作品の背後に重なる「何かが」もくもくと立ち上り、それを捉えて頂き、作品の鑑賞の一助になることを期待しています。 
【阿部修二コメント・略歴】
ルネ・クレール監督のフランス映画「7月14日」の邦題が憧れを込めて「巴里祭」とされたために、毎年、パリでは7月14日に華やかな歌の祭典が催されているかのように日本人は誤解している。だが、その日は文化的祝祭とは無縁な「フランス革命記念日」だ。1789年7月14日、市民が蜂起してルイ16世統治時代の火薬庫ともなっていたバスティーユ監獄を襲撃したその日である。  今日の「7月14日」にはパリ、シャンゼリーゼ通りで軍事パレードが繰り広げられるほか、各地で花火が打ち上げられて「革命の日」が祝される。軍事パレード、花火と聞くとなんともきな臭く、拳を突き上げるパリ市民のシュプレヒコールを想像してしまう。革命を通して「自由、平等、博愛」の思想を纏ったフランス人は、その資質の故か日常的に鉄道員や公務員のスト、学生、教職員デモの頻繁を容認しているようだ。市民は諦め顔でそれを許容しているのは彼らの忍耐からではなく、誇るべく「自由、平等、博愛」の思想からくるものなのかもしれない。  さて、私のカメラが捉えたものは、歌も色彩もない普段着の、もちろん軍事パレードも花火もシュプレヒコールもない日常の巴里だ。私は「自由、平等、友愛」の思想に、世界に先駆けて目覚めたパリジャンたちへの密かな憧れを抱いている。でも、「7月14日」の記憶はエトランゼである私には律動も韻律も調子もなく、ぼやけてはかない。(阿部修二)
阿部 修二 プロフィール略歴
1947 岩手県花巻市生れ
1971 岩手大学工学部電子工学科卒
1979 桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒
 (日本写真家協会・日本写真芸術学会会員)
個展(抜粋)
1976 「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」清水画廊・荻窪・東京
1988 「やさい・トーク」ミノルタ・フォトスペース新宿・東京
1993 「オリジナル・プリント展」バーニーズ・ニューヨーク横浜、横浜
1993 「PARIS」G・エテル パリ市・フランス
1994 「PARIS・夢の軌跡」ニコンサロン新宿 新宿・東京
1995 「錆色の午後」パスト・レイズ・フォト・G 横浜・神奈川
1996 「光一輪」エッグ・G 渋谷・東京
1997 「FOTO OBRA」香染美術・G 阿佐ヶ谷・東京
2002 「イマージュの森」G・惺 吉祥寺・東京
2004 「オマージュ・パリ」プランタン銀座・東京
2005 「ミネーロス」G・惺 吉祥寺・東京
2009 「ロールシャッハの壁」G・ウイリアム・モリス 渋谷・東京
2010 著書「銀街道」紀行プレゼンテーション メキシコ大使館・東京
2010 「銀街道+バロックの迷宮」香染美術・G 阿佐ヶ谷・東京
2012 「薄墨の巴里祭」土日画廊 中野区・東京
著書
1978 石崎浩一郎・阿部修二共訳  ロバート・フットラップ著
     「インデペンデント・フォトグラフィー」クイック・フォックス社
1994 写真集「PARIS・夢の軌跡」 宝島社
2005 「メキシコ歴史紀行・征服の十字架」 明石書店
2010 「銀街道」紀行・メキシコ植民地散歩 未知谷パブリック・コレクション
      パリ国立図書館、パリ市歴史図書館、イル・ド・フランス美術館  
略歴
岩手県花巻市生れ岩手大学工学部電子工学科卒桑沢デザイン研究所ビジュアルデザイン科卒個展
1976  「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」
      清水画廊 荻窪・東京
1986-7 「フォト・イラストレーション」、「銀画展」
      G・ケルビーム 銀座・東京
1988  「やさい・トーク」
      ミノルタ・フォトスペース新宿 新宿・東京
1989  「悲しき玩具・」
      西武船橋アート・スポット 船橋・千葉
1993  「オリジナル・プリント展」
      バーニーズ・ニューヨーク横浜 横浜・神奈川
1993  「PARIS・過去に揺らぐイマージュ」
      G・エテル パリ・フランス
1994  「PARIS・夢の軌跡」
      ニコンサロン新宿 新宿・東京
1995  「錆色の午後」
      パスト・レイズ・フォトG 横浜・神奈川
1996  「光一輪」
      エッグ・G 渋谷・東京
1997  「FOTO OBRA(光の描くもの)」
      香染美術・G 阿佐ヶ谷・東京
2002  「イマージュの森」
      G・惺 吉祥寺・東京
2004  「オマージュ・パリ」
      プランタン銀座・東京
2005  「ミネーロス」
      G・惺 吉祥寺・東京グループ展
1990  「はなうたう」展 
     ペンタックス・G 東京・大阪
1994  「オリジナル・プリント4人展」
      アート・G伊勢丹 新宿・東京著書  
○共訳 ロバート・フットラップ著「インデペンデント・フォトグラフィー」クイック・フォックス社
○写真集「PARIS・夢の軌跡」宝島社(1994.5)
○メキシコ歴史紀行「コンキスタ・征服の十字架」明石書店(2005.5)
◯「銀街道」紀行 メキシコ植民地散歩 未知谷(2010.6)パブリック・コレクションパリ国立図書館(FRANCE)・パリ市歴史図書館(FRANCE)・イル・ド・フランス美術館(FRANCE)
★1986年よりメキシコ教会美術にひかれ、毎年渡墨。 
様々な雑誌でメキシコ植民地時代の都市と建物を紹介している。    
日本写真家協会・日本写真芸術学会会員
作家HP:http://www.img-supply.com/
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ゼラチンシルバー・プリント + プラスター(石膏)
 (手もみした印画紙を使用した特殊技法による
フォトプリントを石膏で封印)サイズ: 225 x 160 mm