中西 和

技法について:独自に工夫した方法で描いています。
基底材は、パネルに水張りした水彩用紙。
描画材は墨や顔料を薄めたアラビアゴムの溶液に混ぜたり、市販の水彩絵具などで描きます。全体のマチエールをつくる為に墨で画面を塗りつぶし、それを水で洗い流したり、”白”は紙の白さを利用します。
この方法で、密度がありながら軽やかで静謐な世界を創っています。
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2020年 個展

「川 堤」(画像準備中)
いつも見慣れている風景や生活に使っているものや食物、普段は気がつかないが、ふとした時に”美しい”と感じた経験をされたことがありませんか。中西さんが描くモチーフはそんな日常に在る何気ないものたちです。気負い無く、淡々と描かれる中西さんの絵画の世界は瑞々しく、健やかに、時に寿ぐという印象さえ感じます。
小さな気付きでも日々の暮らしを心地よい緊張感とともに心豊かに楽しむ術を身につけたいものです。
コロナ禍ではありますが、三密には充分に配慮してみなさまをお待ちしております。秋の日のひと時、是非ご高覧頂きたくご案内申し上げます。

2018年 個展

「花の頃(嚢)」

2016年 個展

「雛」24x18cm

「雛」24x18cm

身近にある物や普段は気にも止めない風景がふとした時に「奇麗だな」と意識される、そんな体験が日常のなかに多々あるのではないかと存じます。中西さんの作品には描くという行為で美術に昇華された、そんな何気ない物や風景があり、日々の暮らしを心地よい緊張感とともに豊かに楽しむ術を気づかせてくれます。
画材はパネルに張込んだ水彩紙に炭や顔料をアラビアゴムの水溶液で溶いたものに水彩絵具なども利用して描くのですが、描画の途中で画面の絵具を水で洗い落としてマチエールを造ったり、白い絵具を使わずに表面をビューラーで削って紙の白を利用するなどします。この方法にたどり着くまでに油彩なども使いましたが、描きたい物を描きたいように描く為にはこの技法が一番適しているということなのです。
過剰でもなく不足もない表現。物や風景は画面の中で特別な役割を与えられることもなく、ただ在る。このあっけらかんとした表現に中西さんの潔さを感じています。
2014年個展

「菜」40x40cm パネルに水彩紙・墨、顔料、水彩絵の具などで描画

「菜」40x40cm
パネルに水彩紙・墨、顔料、水彩絵の具などで描画

 

「閑 日」33x55cm 2011年1月個展

「閑 日」33x55cm
2011年1月個展

「独活図」20x40cm 2009年5月個展

「独活図」20x40cm
2009年5月個展

「陽盛り」250x250mm 2007年10月個展

「陽盛り」250x250mm
2007年10月個展

「素麺図」225x158mm 2005年10月個展

「素麺図」225x158mm
2005年10月個展

「碗」410x320mm 2004年4月

「碗」410x320mm
2004年4月

中西 和 略歴
1947年(昭和22年)奈良県に生まれる
1965年 奈良県立畝傍高等学校卒業
1971年 金沢美術工芸大学   油学科卒業
1972年~2012年  東京都中野区に住む
2012年~鎌倉在住
1982年 初個展(銀座/史染抄ギャラリー)
以降、個展多数。
土日画廊での個展:2004年、2005年、2007年、2009年、
2011年、2014年、2016年、2018年、2020年
●装画/表紙絵
「別冊歴史読本」信長・秀吉・家康・光秀・光成・幸村の号/表紙絵
(新人物往来社/1990年)
「立原正秋」高井有一著/装画(新潮社/1990年)
「祀りのあと」笠原淳著/装画(新潮社/1992年)
「茶色い戦争」笠原淳著/装画(新潮社/1993年)
「生くることにも心せきー小説・太宰治」野原一夫著/装画(新潮社/1993年
「大人だって泣いていい」アグネス・チャン/装画(小学館/1995年)
●原画
京都・松風(株)発行のカレンダー原画12点(1990年)
”吉野紀行”絵はがきセット(郵政省発行/1993年)
年賀状奈良県版 ”法隆寺遠景”(郵政省発行/1995年)
(株)テン有馬グランドホテル(兵庫県)”春夏秋冬”(1996年)
奈良県吉野町立吉野病院 タイル壁画(1999年)
世界遺産 熊野・大峰奥馳道絵葉書(日本郵政公社発行/2005年)
●出版
「中西和作品集1991-1996」(テン/1996年)
「中西和画集・然」(ギャラリー桜の木/2005年)
「中西和画集・素」(求龍堂/2012年)