Art & Breakfast Day 三田村光土里サイトはここから
開催日 2017年9月2日(土)~3日(日)
9月2日(土)午後4時過ぎに秩父、皆野町日野沢の美術家安藤祐さんの家に集合。かつて養蚕が盛んだった日野沢は今では限界集落と言っても差し支えないくらいの山間の過疎地。空き家だった農家を使い勝手良く自力で改築した、しばらくぶりで実家に帰ったような気分になる居心地の良い家です。
参加者は老若男女12名で、主に曾て美学校で学んだり、今泉さんと長い間親交のあった方々です。
まずは秩父33カ所札所巡りを達成した後にご褒美で訪れる”満願の湯”で汗を流し、午後6時過ぎからすき焼き鍋をぐつぐつと煮ながらぼつぼつと始まりました。
テーマ:”「今泉省彦遺稿集」と戦後美術のパワーの源とは”:
遺稿集に出てくる言葉を拾うと、「美学校」が世に誕生する以前の、過激思想育成教育とか自立学校、「女のヒモで暮らす」、とか、怪しい言葉が所々に出て来ます。
50年代中頃から70年代にかけての美術運動の、この危うくも圧倒される”エネルギーの源”を探りたいと、一般論としてのアバンギャルドではない、リアルタイムでまさにこの時代を美術に携わってきた遠藤昭さんの話を聴きたいということと、また、遺稿集編集を手がけた照井さんから”今泉さんの魅力の本質”を遠藤さんの話と絡めてお話を伺うことを目的といたしました。
とは言え単なる講演会ではなく全員が自由に話に参加ができという場でもあり、他の参加者の話も聴く事が出来て一層充実した時間となりました。
参加者紹介
今泉省彦:美学校設立(1969年)に関わりまた前校長 2010年逝去(享年78歳)
遠藤昭:高等学校や聾学校等で美術教育に携わりつつ作品制作。分野は立体、平面ほか多岐に渡る。心は自由自在。やりたい事をやりたいようにやるがモットー。86歳 。今泉さんとは二人が学生時代に知り合った。
照井康夫:文芸春秋社にて数多くの書籍編集をてがけた。1982年に今泉省彦に出会う。退社後の仕事に小津安次郎、野田高梧らによる「蓼科日記抄」の編纂などがある。
他に美学校一期生の安藤祐、二期生の甲賀勝雄は美学校唯一の特待生。ほかにも卒業・現役の美学校生、家族参加もありました。
話は遠藤さんと今泉さんとの出会いから始まり、美学校の創成期のことや今泉さんの美術に対する姿勢などなど、興味は尽きずとうとう日が変わるころまで続き、深夜の満天の星の下で就寝となりました。
内容はここでは省きますが、後日 撮りましたビデオを編集の上 youtube に掲載を予定しています。
●「今泉省彦遺稿集-美術工作者の軌跡」(海鳥社)の情報は当サイトにも掲載。
●本の購入をご希望の場合は書店、海鳥社、土日画廊でも取り扱っております。
翌朝も快晴。安藤氏宅から歩いて7~8分程登り弘法大師の足跡といわれる石がある「藤原安産堂」まで散歩。寝不足の脳がすっきりしたところで、2階のアトリエ空間で安藤氏の制作途中の大きな作品群に囲まれコーヒー&ブレッドの簡単な朝ご飯。
本来はここからが「Art and Breakfast Day」の始まりなのですが、参加者のエネルギーは前夜すでに費やされ、みな多くを語らず。2013年の東日本大震災のDVDを観ることとなりました。
午後2時頃終了しました。
この時間・記録(ビデオ)が将来何か形になるかどうかは解りませんが、戦後日本美術の歴史のひとこまががその実践者の言葉で語られているということは重要なことだと存じます。
今後も遠藤氏には継続してお話を伺って行こうと考えています。残しておけば次の世代に役に立つことがあるかも知れませんから。(2017年9月 土日画廊 板橋)
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Art & Breakfast Day in Minano
開催日:2017年9月2日(土)夕方〜3日(日)午後
会場:美術家 安藤祐氏アトリエ(秩父郡皆野町)
参加者:有志10名
参加企画:土日画廊
テーマ:美学校前校長の遺稿集「美術工作者の軌跡・今泉省彦遺稿集」が2017.6月に発行されました。これを機会に久し振りに今泉さんのことなど語らいつつ、50年代からアバンギャルドの美術家としてその運動に深く関ってきた美術家 遠藤昭さんから当時の状況、エピソードなどを伺いつつ、質問感想などを交えた自由な会話の場になりますよう期待します。