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[ webで常設展 2021年5月 ]

加藤啓 (シルク ミニアチュール、ミーム イルミネット) 作品紹介。

海辺で採集したモノたち、流木、貝殻、プラごみ、魚網屑・・・、で作った人形、オブジェと、”場”の光、風、音、時を感じるパフォーマンスを行う
1969年 美学校立石鐵臣細密画教場に学ぶ
1969年 大野一雄舞台塾に学ぶ
1991年 シルク ミニアチュール、ミーム イルミネット初演
2013年 操りと音楽(千野秀一)のパフォーマンス:PUPPEN-ZIRKUS ベルリン初演
展覧会、舞台美術(山田せつ子、中嶋夏等)多数。(個展案内より転写)

[ 子を抱く女 ](土日コレクションより)

「子を抱く人」 H19cm

かつて、米国グランドキャニオンの”地中”で出会った”人”の姿を思い出します。

酷暑で乾燥した谷から戻る夕方、”地上”に着くにはまだ暫くはかかりそう。水筒の水も少なくなり心細くなり始めた頃、少し前を歩いていた女性です。その人は休息になるとお仲間から分けてもらう水筒の水をほんの少しだで飲み喉を潤し、そして唯一の持ち物、握り締めているビニール袋の中からブドウを一粒取り出して 口に含みました。さぞかし甘く水水しいであろう感覚を口腔内で味わい尽くそうとでもするかのように美味しそうに・・・。ああ この人は”水”の少ない地域で暮らし、その付き合い方を識っているのだな と感じました。 痩身に長めのスカート姿、運動靴の確かな足取りで生命力に溢れ、その美しくもある佇まいがこの加藤啓さんの作品と重なります。

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【加藤 啓 ”漂着物/廃棄物の操り人形”展】
2021年4月13日ー30日
四谷三丁目ランプ坂ぎゃっラリーRAMP(CCAA)
旧小学校の校舎をアート空間に利用している魅力的な空間でした。

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[パフォーマンス]

加藤さんの作品は自然光や微風や澄んだ空気がよく似合います。
以下は随分前の公演ですが・・・。

2008年6月8日 東京湾のはずれの埠頭にて(詳細忘れました。)

2010年6月6日 七里ヶ浜 腰越の砂浜にて

 

ご覧いただきありがとうございました。
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2020年4


2020.4.8(木) – 駅のさくら
土日画廊の最寄り駅、西武新宿線「新井薬師前」駅、下りホームの脇にちょっとした空き地、立ち入る事の出来ない空間があります。なにげなくも独特な雰囲気でありますが普段はほとんど気にも止められない存在です。が、この季節、ホームで電車を待つことがあると、そーだ、さくら!と思い出すのです。四方を建物の低い屋根に囲われた狭く細長い空間、空から入る太陽光に透かされて、八重の薄いピンクのはなびらは、軽くふっくらとした半透明の塊なって枝にぶら下がっています。                                                                 
樹はそれほどの大木ではありませんが、胴回りは立派でずんぐりとしていて、相撲取りのしこを踏むような重量感のある風情。黒っぽい幹肌からも結構な樹齢を感じさせるこの樹がいつからあったのか,その昔の記憶がありません。この駅は戦後3回(多分)建て直されていますが、この土地で育ち、子供のころから利用していた私がこの”花”に気がついたのは迂闊にも現在の姿になって随分過ぎてからです。(私の年齢は不詳にしておきます。)
西武新宿線では一部地域の地下化を行っています。新井薬師前駅もその工事の最中で、来年の初め頃には完成の予定とか。すると、現在の環境は当然再開発ということになります。その時に永い間この駅をみつめ、その生涯をこの地で共に過ごして来た”桜樹” の運命は如何に!!!
整備された後も、この駅の歴史の語り部として、凛と立つ「薬師駅の桜」を観られる事を期待します。

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