【遠藤輝 1931-2025】
1931 栃木県足利市生まれ
1956 東京芸大彫刻科卒業
1957 モスクワ世界青年学生平和友好祭 美術部門で銅賞
1958 雑誌「形象」編集執筆
1962 養清堂 個展
1967 椿近大画廊 ヤングバーゲン展
1971 日本版画協会会員
1975 美術家会館 2人展
1976 椿近代画廊 個展
1976 足利市民会館 個展
1977 中野紅画廊 個展
1982 足利市立東小学校校舎移転記念事業「自立の像」」制作
1984 画廊春秋 個展
この後毎年個展、グループ展で作品を発表。
1995 足利市立美術館 郷土出身の作家による3人展
以後、足利市立美術館、王子ギャラリー、好文画廊、ギャラリーブロッケン、
土日画廊 他で、個展、グループ展で作品を発表、2025年まで続く。
作品の多くは、足利市立美術館内、浅川コレクションにて収蔵されて
立体、平面、素材も多様。遠藤さんの体内に宿る創造魂を豊富なアイデアと技術が支える。
制作の根底に流れるテーマは「尻」と言い切る。かつて林檎をモチーフに制作していたが、遠藤さんにとってこれはエロスの権化。
【815展 会場:好文画廊】
毎年8月15日の終戦記念日を中心に、太平洋戦争中での思春期の体験を風化させないことを願い、美術、音楽、朗読、ダンス
の広い分野の作家達と共に「815展」をライフワークとして企画開催した。
【土日画廊での個展・グループ展】
「遠藤昭 個展ー古物商の箱庭ー」
2018年12月13日(木)-24日(日)

「遠藤昭 展 カーヴ&ツイスト」
ー合成絵画とオブジェ群ー
2015年3月12日(木)-3月29日(日)
天と地に溢れるカーヴとツイスト 剽窃と他力本願の真骨頂

「遠藤昭 風景画展」
ー蒼い空・黄色い雨ー
2011年12月15日(木)-12月25日(日)
今回の風景画は長年温めてきたテーマの一つ。遠藤さんにしては比較的おとなしい作風になったが、やっぱり怪しい空気が漂っている所が、遠藤昭 健在といった所です。

「花をめぐる三人展」
遠藤昭 + 松岡真澄 + 百瀬晴美
2010年4月1日(木)-4月18日(日)

「遠藤昭の林檎展」
2009年3月19日(木)-4月5日(日)

「遠藤昭 展」
1995年3月30日〜

「遠藤昭 展」1995年3月

POP-APPLE Ⅱ 1991
白い紙に不細工に押し付けられ、黒く滲んだ皺くちゃなリンゴがある。
腐りかけていて、毒が含まれているかに見える。
遠藤さん自身が紙の.上に残すものは.造形的直感力と熟練した技術を駆使して、バランスよく配置された形態と色彩のハーモニーである。
そこには、長年向き合ってきた「りんご」への特別な思い出はあるものの、そのための効果を狙った作為的な表現は見当たらない。
若い頃労働運動で12分に戦ってきたこともあってか、普段でも理屈めいた事はあまり言葉にしないが、この淡々とした作文の中にかえって家の作家の内的一面を読み取る。あの黒いりんごから発散する毒素は、実は遠藤さん自身なのかもしれない。
作品とは、このようにサッカーを語ることもあるのだろう。
本当は、こんな推量のご本人には迷惑なことで、ひたすら制作に励み、観る人には作品を楽しんでもらいたいと言うのはが、遠藤さんの唯一の希望だと思う。(1995.3)

