井上まさじ 展

2015年10月15日(木)〜11月1日(日)
OPEN 木曜日〜日曜日 12時〜19時
井上さん在廊 15(木)16(金)17(土)18(日)

acrylic on board 257x180mm

acrylic on board
257x180mm

井上さんは札幌近郊に暮らしています。春になれば定山渓に入りアイヌねぎやコゴミ、ふきのとうなど早春の山菜を収穫、秋にはから松の足元に出る「らくようきのこ」とよばれる美味しいキノコを摂りに山にはいる。そんな生活を繰り返しながら制作をしています。
制作には全く関係のない話のようですが井上さんはこの季節の移ろいを繊細に感知し植物の営み、山々の色彩、太陽光の変化などから多くの情報を得ています。
一方で制作の為の素材はボードやアクリル絵具です。
作品はアクリル絵具を何層にも重ねては削るという動作としては至って単純な「作業」の連続です。
しかし重ねる絵具と絵具の層の間の微妙な隙間には井上さんが自然の中で感じ体得した「空気」が封じ込められています。観念的なようにも聞こえますが、その「空気」こそが井上さんが山に入り実感したものなのだと私は感じています。

一見抽象的な作品思われがちですが、制作の過程は自然の中での体験、絵具という物質との関係性など井上さんにとりましてはかなり実感を伴っているのだと想像します。
そういう意味も含めて抽象・具象という分類はできない作品です。

近頃はグーグルマップの航空写真で地球上を覗きますと肖想像も出来なかった地表の様相に出会います。
井上さんの作品にはそんな今までに見た事の無い「風景」とも捉えることが出来る表情を発見することがあります。
観る方にとりましても、作品にもよりますが自分自身の体験した感覚や感情と共感して頂ける作品でもあると感じております。作品は観客が自由に観て頂くのが一番良い事だと存じますが、一方で画家の感じた自然を追体験することが出来るかも知れません。色々な角度から楽しんでいただければ良いかと存じます。