【湯田良夫ー彫刻家のスケッチブック展】

2019年4月4日(木)ー4月21日(日)
OPEN 木金土日 12:00ー19:00
CLOSE 月火水
湯田良夫 web彫刻美術館

銅版画に手彩色


湯田良夫ー1950-2018/4
福島で生まれる
1968 福島高校卒業
1975-85 新具象彫刻展参加
1982、88、91 個展 みゆき画廊
1998 、08 個展 ギャラリーせいほう
2006 個展 土日画廊
2011〜隔年 「彫刻展 空」参加
湯田良夫は10代から彫刻家になることを目指し、美大受験の為のはずだった代々木ゼミナールに”4年間”通い、ご本人の言によると「だらだらと、楽しい日々」を過ごしたという。その間に出会った講師や作家たちあるいは物故作家の作品から学び、時に反面教師となって自身の彫刻家としての生き方、学び方の方法を形成してきたのだろうと、インタビュー(2017年12月)から想像できます。自身にとって大事な事とは何かを求め続けた、いかにも湯田さんらしい独特な時間の在り方です。
人物なら家族をモデルに、あるいは宮沢賢治や明恵上人、ゴッホなど、自分の身近な人々や敬意をはらう人物を”木彫に彩色する”というスタイルで制作してきました。一方で、魚や鳥たちに光源をはめ込んだりミサイルを持たせたりと、シュールな発想にユーモアを醸し出す作品も多く、特に「西表山猫」などの逞しい猫たちの作品には野性味が溢れ、そのたっぷりとした作風は湯田良夫ならではの独特な風格を漂わせています。
湯田さんのスケッチブックにはそれらの彫刻作品が手がけられる以前、あるいは制作の途上の軌跡が描かれ、特にご家族や宮沢賢治に関するデッサンが繰り返し描かれているのが印象的です。これらのスケッチブックは、惜しくも故人となられてしまった彫刻家の制作のアイディアを識る上で魅力的で貴重な資料となりました。
今回の「彫刻家のスケッチブック展」ではその中から10冊のスケッチブックや水彩で描かれたデッサン、また木彫の小品5点に加え、「西表山猫」「カッコー」を展示するいたします。
また、「湯田良夫へのインタヴュー」(2017年12月・聴き手 北島章子)の抜粋も展示、湯田良夫の豊かな世界を一層深く感じて頂けることと存じます。